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2006年8月29日 (火)

システム開発の対価はどうあるべきなのか

【例えば、ITアーキテクトって何?】
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ITmedia いちばん楽しそうな仕事ですね。

林 いちばんおいしいところでもあります。

成本 そうなんです。先日、六本木を歩いていましたら、ビルの建築現場があり、アーキテクトの名前が掲げられていました。一人の名前がそこに書かれているということが、すべてを象徴していると思います。
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【ITアーキテクトの報酬は?】

ITmedia 建築士事務所の報酬は、法律に基づいて算出基準が定められていて、工事費の10%前後と大体決まっています。

成本 IT業界もそれに近づくためには、見積手法が確立されないといけません。見積もれないから人月になってしまっていたわけです。成果物の価値をどう見積もるかが重要になります。
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ITmedia エンタープライズ:「契約と対価」から導くITエンジニアの将来像

システム開発において、「人月単価からの脱却」というのは、ときどき出てくる意見ですね。上の記事では、建設業に例えており、これも良くつかわれる比喩だと思います(私自身もたまに使いますが)。

ところで、当の建設業界の人の話を読ませてもらいますと...

ある設計料入札で、とある設計事務所が「1万円」で設計を落札したらしい。彼は、中途半端な設計で後のすべてはゼネコンにやってもらう予定だった。でも建物が出来れば自分の名前が社会にでるとか。
MOZANBLOG: 耐震計算偽装

日本の設計費は安い。これは以前にポストしたように日本人がプロフェッションという「サービス」にお金を払うという文化が無いため。モノには払うけど、人には払わない。だから、モノを建ててくれるゼネコンにはお金を払いやすく、ゼネコンは設計料や研究費を「モノ」の値段にドンブリ勘定に含める。
MOZANBLOG: 日本の建設費は高いか

「モノ」「サービス」の値段というのは、発注側・受注側双方の「綱引き」、交渉で決まってくるものですから、一方的に、こちらがこれだけ「人月」がかかっているので、払ってくれ、という風にはいかないですよね。

現実には、「綱引き」で決まった価格に、人月を合わせるようなことをしており、これが、「デスマーチ」を頻発させることとなっていたわけで。実際、「買い手市場」のときには、「赤字プロジェクトの大量発生」が問題となっていたように思います。

つまり、「人月単価」を使っていても、市場の価格メカニズムの影響は受ける、ということでして。これが「人月単価」の概念と矛盾を起こしているのは、確かですね。「成果物ベース」とするのは、もしそれが可能なのであれば、正しいのかもしれません。

もっとも、「成果物ベース」としたところで、競争がある限り、価格低下は続くと思います。むしろ促進されるかもしれませんね。

どうも、ベンダー側が「人月単価の脱却」を唱えることが多いように思いまして。それに、「買い手市場」で価格が下がり続けていたときに、言われ始めたようにも思ったので、ちょっと気になりました。

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