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2007年1月28日 (日)

ITシステム開発における「オーナーの弱さ」

ITpro「記者の眼」で、プラント建設などのエンジニアリング業界と、ITシステム業界とを比較した話が出ていました。

ただ,いまのままではどうにもならない問題がある。それは「オーナーの弱さ」だ。先述したように,エンジニアリング業界では,標準的な処理フローや配置図を基に詳細なRFPをオーナー側が作成。それを基に厳密な仕様変更管理が可能となっている。詳細なコーディネーション・プロシジャにより,作業手順もオーナー側がコントロールする。

 要するに,エンジニアリング業界では「オーナーが強い」のである。実際,エンジニアリング会社の元PMは,「オーナーであるエクソンやモービルなどの石油メジャーに教えられたことは多い」と語る。エクソンやモービルなどの強力なオーナーを相手に商売をしているうちに,エンジニアリング会社のプロジェクトマネジメントも洗練されていった,という構図だ。

 エンジニアリング業界における処理フローや配置図は,システム開発では「業務プロセス」に当たる。そして,これを作成できるのはオーナーしかいない。詳細なRFPの作成も,作業手順書も本来はオーナー(ユーザー企業)が作成すべきだろう。システムはオーナーのものなのだから。

平田 昌信, 求められる「オーナー支援コンサルタント」,ITpro「記者の眼」,日経BP社,2007/01/24

ITシステム開発でのオーナーも、今までのように、業者に丸投げではなく、自ら積極的にプロジェクトに係わろうとするようになってきているように思います。

以下の記事は象徴的ですね。

東証システム、全面刷新の真相【真相6】東証システムの開発体制 丸投げ体質からの脱却を目指す, ITpro, 日経コンピュータ 大和田 尚孝, 2007/01/22

過去の「丸投げ体質」を反省するとして、以下のようにあります。

2005年までの東証のシステム部門では、ITベンダーにシステム開発を依頼する際、RFP(提案依頼書)を書かずにITベンダーに口頭あるいは書面で大まかな要件を伝え、見積りを出してもらうケースが少なくなかった。要件定義の中身は、「現行業務を忠実にシステム化してもらいたい」、あるいは「現在のシステムを参考にしてもらいたい」といったレベル。実質的にはベンダーに要件定義書を作らせていた。

まあ、別に驚きませんけど、「全てお任せコース」ですね。それで、今回の全面刷新に当たって、以下の作業を東証が受け持つそうです。

  • 要件定義と検収
  • 進捗チェック

当たり前すぎてズッコケそうになってしまいますが。現実はこんなものですかね。

残る問題は、業者側の経営者でしょうか。どうも、オーナーの提灯持ちに成り下がってしまっている感じがします。当のオーナーが冷たい目で見ていることに気づきましょうよ。

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