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2007年1月26日 (金)

ゆとりの法則

ゆとりを排除し、企業を効率化する任務を負った人は、自分の仕事を正当化するために、財務上の利益をもちだす。1円を節約すれば、1円の利益になるというのだ。これが真実だと信じているのは、何度もそう聞かされてきたからである。おそれながら、この古人の知恵に真っ向から異を唱えてみたい。

「1円を節約しても、1円の利益にならない」

トム・デマルコ 著, 伊豆原 弓 訳, 「ゆとりの法則 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解」, 日経BP社, 2001年, p.50

電車の吊広告に求人情報誌の広告が色々あり、見るともなしに眺めていると、「残業なしの仕事」とか「休日が必ずとれる仕事」といった特集記事の見出しが出ていました。日本も、Work life balanceが重視される世の中になってきているのだ、という感想を何ともなく抱きました。

我がITシステム開発業界でも、ほんの5年くらい前ですと、月300~400時間労働が当たり前の感覚で行なわれていました。おかげさまで、「きつい」「厳しい」「帰れない」の新3K職場との称号もいただき、若者から敬遠される職場の代表格となってしまったみたいです。「花形」と呼ばれたことがあったなどと信じられませんね。

@ITに以下のような記事が出てました。

働き盛り年代減少で危機を迎える情報サービス産業 - @IT情報マネジメント(井上 実, 2006/12/21)

まず、「年齢構成のゆがみ」ということで、以下の指摘があります。

情報サービス産業において、最も働き盛り年代である30代半ばの人口が少ないというゆがんだ年齢構成は、情報サービス産業の業績を左右するくらい重要な問題である。なぜ、このような事態を招いてしまったのだろうか。その原因を探ってみる。

私の印象ですと、30代半ばというより、20代~30代後半までが、40代以上(バブル期入社にあたりますね)より極端に少ない、という感じです。客観的に見ると、上のようなことになるのですかねえ。

それで、「ゆがんだ年齢構成を乗り越えるための3つの方策」として提案がされています。

1. 若年層の早期育成
2. スペシャリスト育成と複線型人事制度
3. グローバル・アウトソーシング

今までに散々言われ、また行なわれてきたことですね。おそらく効果は期待できないでしょうし、次世代の若者のことを考えれば、事態を悪化させるだけでしょうね。

最後の「根本的な解消を図るには、情報サービス産業がほかの産業と比較して魅力のある産業になる必要がある」は、まさしく正論なのですけど、そのためには、先のような場当たり的な「対策」をやめ、このビジネスの本来の姿を取り戻す必要があると思います。

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