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2007年2月12日 (月)

「経済論戦は甦る」

経済論戦は甦る Book 経済論戦は甦る

著者:竹森 俊平
販売元:日本経済新聞出版社
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2002年に単行本として東洋経済新報社から出版されたものが、今年、日経ビジネス人文庫の一冊として文庫化されたみたいです。私は初めて読んだのですけど、現在の日本の置かれた状況を分析したものとして、面白く読めました。

不況に対して、著者は以下の2つの考え方があることを提示します。

1. 清算主義。積極財政、金融緩和などで不況を緩和させず、企業・雇用・資産を不況のなすがままに破壊し、経済から非効率なものを一掃する。その結果、効率的なものが市場に参入しやすくなり、より効率的な経済が生まれる。

2. リフレ主義。不況は経済にとって極めて危険なもので、放置すれば経済は壊滅する。積極的な財政金融政策によってデフレを押しとどめ、政府による富の移転を図ることで経済を正常な状態に復さねばならない。

著者は、1930年代の世界恐慌の際、上記2つの考え方の経済学者によって論戦があった歴史的事実をひき、今日の日本における論戦を分析します。本書前半で著者は、世界恐慌の経験から、清算主義は過ちであり、リフレ主義が有効であるとの立場に立ちます。後半はリフレ主義の立場から、銀行の不良債権処理について、分析されています。

個人的に印象深いのは、小泉内閣への国民の熱狂的支持に関する、以下の一節でした(p.14)。

ドイツ語に「シャーデン・フロイデ」という言葉がある。モノを壊し、傷つけることによる一種のサディスティックな喜びを指す。当時、国民が心に抱いていたのは、これであったかもしれない。自民党のたくらんでいた総裁選出の「出来レース」をぶち壊したあとは、バブル期に地上げをしてボロ儲けをねらい、いまは公共事業にすがってなんとか生き延びようとしているゼネコンを潰す-。「破壊」が、つぎに「創造」につながるというはっきりとしたビジョンがあるわけではなく、ひたすら「破壊」を続けることでの憂さ晴らしである。

巻末の参考文献を見ていると、「医療・保育などのサービス改善」というタイトルが。清算主義は必ずこれを持ち出すのですかねえ。この本の著者はリフレ主義に立つためか、清算主義に関しては、あまり詳しく述べられていなかったのですけど、どんなことを言っているのか、一度読んでみようと思います。

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