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2007年3月29日 (木)

オフショア開発の誤謬

日経BP社ITproに対照的な記事が掲載されていました。

「オフシェア並みの料金でお願いしたい」。最近、こんなシステム商談が増えていることにITサービス会社の経営者らは危機感を募らせている。…

ところがユーザーから「30万円」と言われれば、極端に言えば新人の給与も支払えない事態になる。「30万円は無理です」となれば、ユーザーはオフシェアへとなる。…

TISの岡本社長の心配事:ITpro Watcher,  2007年03月28日


あるオフショアのケースでは,当初,日本国内委託に比べて40%のコスト削減になる計画だったものが,オフショア開発の失敗により反対に60%もコストが増え,納期も半年遅れ,日本側リソースがフォローに当たったために別のプロジェクトチャンスも失った例があります。

海外アウトソーシングでパフォーマンスは本当に上がるのか:ITpro Watcher, 2007年03月27日

「ソフトウエア開発を、中国・インドなどの人件費の安い国に委託することで、開発費が半額以下になる。」

などというのは、あまり現実的な考えではないでしょうね。どうも値下げ要求の理由付けに、こうした誤謬が良く使われるようですけど。

案件を海外に出す場合、国内よりも高度なマネジメントが必要になるでしょう。また、翻訳・貿易関係の手続きなど、国内で開発する場合には必要のない作業も色々と増えるようです。結局、15%程度コストが削減できれば成功、というのが現実的みたいですね。


コミュニケーションや見えない管理作業などのオーバーヘッドを考慮すると、国内開発と比べてオフショア開発の作業効率はかなり悪くなります。米調査会社META Groupは、「オフショア開発におけるコスト削減率は15%程度」とレポートしていますが、この数値は私の経験とも一致しています。

@IT情報マネジメント:なぜ、中国オフショア開発の見積もりは高いのか?, 2004/11/12

単純に技術者の人件費単価だけで比較すれば、国内開発はオフショアに太刀打ちできませんが、工期・管理コストという点では、国内の方が有利でしょう。建設業の世界では、コスト削減に最も有効なのは、人件費の単価を減らすことではなく、工期の短縮であるとされているそうです。

人件費の単価だけを取り上げるところに、オフショア開発の誤謬があるように思います。

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