« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »

2007年4月29日 (日)

「民主主義」

民主主義―古代と現代 (講談社学術文庫 1810)Book民主主義―古代と現代 (講談社学術文庫 1810)

著者:M. フィンリー
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

1972年に出版された本で、古代ギリシャ史を専門とする著者が、古代ギリシャと現代との「民主主義」という概念を比較して考察しています。

今日の西欧社会においては、誰もが民主主義者である。これは150年前の状況に比べると、目を見張るばかりの変化である。この状況はもともとギリシャの「民主主義」という概念に含まれていた民衆参加の要素が大幅に削減されたことによって可能となり、そのような削減を正当化する理論の普及によってイデオロギー的に助長された。「エリート理論」と普通呼ばれるこの理論は、民主主義が機能し存続できるのは、職業政治家と官僚の事実上の寡頭政治の下でのみであると主張する。民衆参加は時折の選挙に限られなければならない。つまり、民衆が政治的に無関心であるのはよいことであり、社会の健全さの印であるというのである。

p.17 序文より

現代日本の民主政治が、「エリート支配」と呼んで良いものかどうか、疑問はありますが。政官財の「鉄の三角形」は現在も健在で、露骨な利益誘導はまま見られるところではありますね。

鉄の三角形は公的セクターと民間セクターの両方をカバーし,地方レベルにさえ根を張っている。それは,多くの場合,関連業界に対する影響力を各省庁に保証する法的な枠組みないし基本法令によって支えられている。しかも官僚は,規制対象の産業を支配するために公共の福祉の向上を理由とすることができ,特定の法的規定を根拠とすることができる。しかも日本には,規制当局との見解の相違を解決する競争監視機関ないし行政/司法仲裁機関が存在しないために,こうした裁量権が日本の政府機関をことのほか強力にしている。

「日本の改革の障害を取り除く」:OECD Observer 日本語版 No.216 1999年3月号

財界の意向は政治に反映されやすく、一般民衆の意向は反映されにくい、という現実は確かに存在するように思います。

「国にとってよいことはGM社にとってもよいことであり、その逆も真なり、だ」。この今では古典的になった発言は現在でも嘲笑と憤りを引き起こす。 ...
...
だが、果たしてこの発言は間違っているのだろうか。一体、何が国にとってよいことなのか。国益とはどういうことなのか。

p.116

投票権を行使することで、政治に「民意」が反映される、というのは、「うぶなイデオロギー」(p.25)の一種なのでしょう。ただ、民衆の投票行動で政治が変わるという例が、過去に存在するのも事実です。

ファシズムが合衆国にやってくるとすれば、それは反ファシズムの名においてであるとヒューイ・ロングは述べたが、彼は事態を正しく受けとめていたことになる。マッカーシーに対する大衆の支持は、「アメリカ民主主義の理想の意識的な拒否というよりも、その理想を護ろうとする、間違った努力を示している」。

p.29

だいたいは、ろくでもない結果になっているようではありますが。

私は、投票行動によって政治に民意が反映される、とは思いませんが、政治のパワーバランスに何らかの変化をもたらすことはあるだろう、とは思います。現代の民主政治というのは、とてつもなく迂遠な、”間接”民主制になっていますので。

同時に、国民の投票行動を根拠に、政府の政策を正当化することはできない、とも思いますけどね。それも「うぶなイデオロギー」にすぎないでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

プログラミング言語 Erlang

@ITの”NewsInsight”で取り上げられていますね。

twitterブームの陰で注目を集める“Erlang” - @IT

Erlangは、並列処理を得意とする、関数型の言語のようです。

Here's the good news for Erlang programmers:

    Your Erlang program should just run N times faster on an N core processor

Is this true?

What's all this fuss about Erlang? by Joe Armstrong

Nコアにすると、プログラムがN倍早くなる、という宣伝文句。まあ、これは、ちょっと言いすぎ(”we're optimistic”)のようですが。

Why do our programs just run faster?

It's all about mutable state and concurrency

関数型言語のコンセプトとして、「状態を持たない/副作用がない」というものがあったと思います。副作用がない言語を、”純粋”関数型言語とか呼んでいますね。これが並列処理と相性が良い、というのは、「副作用がない」ということの実用的かつわかりやすいメリットですね。この点、従来はやや衒学的な説明が多かったように思います。

PragDave: A First Erlang Program

”Pragmatic Programmer”な方々が注目しているようですし、これは普及するかもしれませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月27日 (金)

Open Source Flex

アドビ・システムズのWebリッチクライアント開発ツール、Flexがオープンソース化するそうです。

Adobe is announcing plans to open source Flex under the Mozilla Public License (MPL). This includes not only the source to the ActionScript components from the Flex SDK, which have been available in source code form with the SDK since Flex 2 was released, but also includes the Java source code for the ActionScript and MXML compilers, the ActionScript debugger and the core ActionScript libraries from the SDK. The Flex SDK includes all of the components needed to create Flex applications that run in any browser - on Mac OS X, Windows, and Linux and on now on the desktop using “Apollo”.

Developers can use the Flex SDK to freely develop and deploy Flex applications using either Adobe Flex Builder or an IDE of their choice.

Flex:Open Source - Adobe Labs

Flex2で、SDKが無料提供されており、ActionScriptコンポーネントのソースコードが利用可能になっていますが、それに加え、ActionScript/MXMLコンパイラ、同デバッガ、ActionScriptコアコンポーネントのソースコードが利用可能になる予定とのことです。ライセンスは、Mozilla Public License(MPL)になるそうです。

最近は、リッチなWebアプリケーション構築案件の引き合いが増えてきています。Flex+サーバサイドJavaという組み合わせは、有力な選択肢になるかもしれませんね。オープンソース化のニュースは、Flex普及の後押しになりそうです。

この領域では、今は.Netが強いようですが、この選択肢が対抗馬になれば有難いですね。Windowsプラットフォームの縛りがないのが良いです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月26日 (木)

最大最難の「メディアリスク」

日経BP社ITProに掲載されている記事です。

最大最難の「メディアリスク」(1)74年前に指摘された「三原山型観念的社会記事問題」

最大最難の「メディアリスク」(2)システム障害を巡る記事の書き方、教えます

最大最難の「メディアリスク」(3)マスコミが金融庁に与えた「権力」

最大最難の「メディアリスク」(4)マスコミを徹底して嫌ったIBM会長

”最大最難の「メディアリスク」(1)”で、以下のように問題提起されています。

メディアリスクという言葉を聞いたのは、ある勉強会の席上であった。情報システムに関連するあるトラブルを起こした企業の幹部が、トラブルの経緯を振り返りつつ、冒頭のように仰った。その方によれば、「顧客、警察、監督官庁、社内外関係者、すべてに応対しなければならなかったが、一番厄介なのがメディアだった」という。

 厄介だという理由をこの幹部はこう説明された。「会見や個別取材で、どれだけ時間をかけて説明しても、まったくこちらの主張を分かってくれない。というより、そもそも理解しようという姿勢にない。記者のほうが結論を用意していて、それに合うコメントだけを取って帰ろうとする」。

マスメディアが、あらかじめ立てた「筋書き」にそって、取材をおこない記事にする、という話は昔から指摘されているところです。昔と異なるのは、その報道の影響の大きさでしょうか。

最近ですと、不二家を巡る一連の報道が「メディアリスク」現実化の一例かもしれませんね。

TBSの捏造報道として問題になっている「賞味期限切れのチョコレート再利用」の件だけでなく、他局の報道に出てきた以下の問題は事実無根である。

    * 3秒ルール
    * カビの生えたケーキや床に落ちたケーキを販売
    * 虫混入とか金属片混入とか

アンカテ(Uncategorizable Blog) - 不二家捏造報道問題: バッシングでつぶしてしまえばテレビ局の勝ち?

確かに不二家自身の最終報告書を読みますと、メディアの報道とは大分ニュアンスが異なるようです。

不二家からの大切なお知らせ:第2回「信頼回復対策会議最終報告」記者会見

まあ、こうして当事者のコメントを直接知ることができるのも、昔とは異なるところではありますね。

昔なら、マスコミにコメントを求められるというのは恐怖感を覚えるほど覚悟のいることだった。何を書かれるかわかったもんじゃないという不信感がある。だが、今はまあどうでもいい。日記に本意を書いておけばいいのだから。

高木浩光@自宅の日記 - 新聞の意味不明な識者コメントはデスクの解釈で捏造される

”最大最難の「メディアリスク」(2)”は、メディアの仕事のパターンをマニュアル風に書いたもので、なかなか皮肉が利いています。

本来は、システム障害の原因をきちんと取材すべきだが、それについては深追いする必要はない。障害直後は原因を特定できていないことが多く、きちんとした説明がされない(できない)からである。そもそも記者の多くは情報システムの仕組みを理解していないので、説明があったとしてもよく分からない。

 むしろ、当事者ではなく、システムに詳しい識者に電話し、「今回のシステム障害をどう思われますか」と聞く方が効率的である。コメントを集め、「『内部管理の抜本見直しは避けられない』との声も上がっている」「基本的な手順をおろそかにしていたと批判されても仕方ない」と書く。記者の主張ではなく、「識者がそう言っている」と取られるように書くことが大切である。

 いきなり電話を受けた識者の中には、「原因が特定できない以上、今は論評できない」「大騒ぎをすればするほど、システム開発を担当する技術者たちが萎縮してしまい、かえって危険」といった、“使えない”コメントをする人がいる。こうした人は、識者リストから外しておく。

”最大最難の「メディアリスク」(3)”は、かの有名な某銀行システム障害のときの話。ITサービス業の人間であれば、このときの記事を読んだ人は多いと思います。

1985年にバンク・オブ・ニューヨークが情報システム障害で倒産寸前に追い込まれたとき、議会で証言したニューヨーク連銀のジェラルド・コリガン総裁は、「関係職員の疲労」に言及したという。

 今回のトラブルについては、議会証言もあった。テレビや新聞において、猫も杓子も発言した。だが、コリガン総裁のように、現場の担当者の疲労について言及した人はどれだけいたのであろうか。

この一件に限らず、現場で不眠不休で必死に働いた方々への配慮というのは、あまり見受けられないように思いますね。

柳澤伯夫金融担当相(筆者注、当時の肩書である)は4月24日、「某銀行から(情報システム統合の進捗について)虚偽の報告を受けた」とまで発言した。ほとんど犯罪者扱いである。

(・・・)

メディアの「中の人」である方が、こうした問題意識をお持ちであるというのは、心強いことだと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月11日 (水)

Assembler as a Service

ツボでした。ありがとうございます。

これで、出先のネットカフェで突然x86のハンドアセンブルが必要になっても安心だ。

秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ: x86アセンブラ on ブラウザ

Intel社と共同で世界発のマイクロ・プロセッサを開発した、嶋 正利氏が日経BP社ITProで、当時の回顧録を掲載されていますね。「4004 Dr.嶋ブログ」の内容をこちらに移したのですかね。

【当時の勉強ノートを公開】世界初のCPU「4004」開発回顧録(1)それは電卓の価格競争から始まった:ITpro

世界初のCPU「4004」開発回顧録(2):ITpro

同サイトより、嶋 正利氏のプロフィールです。

ビジコン在籍中に米Intelと共同で世界初のマイクロプロセッサ4004を開発したほか,Intelで世界初のパソコンを生んだマイクロプロセッサ8080を,ZiLOGでZ80,Z8000などを開発。

このあたりの話は、「インサイド・インテル」という本に出ていましたね。


古典電脳物語―8085,Z80,CP/M,タイニーBASIC… Book 古典電脳物語―8085,Z80,CP/M,タイニーBASIC…

著者:鈴木 哲哉
販売元:ラトルズ
Amazon.co.jpで詳細を確認する

こちらは、往年のマイコンを自作したという人のお話です。マイコン時代の歴史についても簡単に触れられています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月 9日 (月)

オンラインストレージ“Dropbox”

Subversionリポジトリの、オンライン・ストレージ・サービスがあると便利なのに、と考えたことがありましたが。それに近いサービスみたいです。

OSのファイルシステムに統合され、Windows上からは通常のフォルダとして扱えるオンラインストレージサービス「Dropbox」の詳細が明らかになった。Dropboxは、複数のPCから同一フォルダが扱えるだけでなく、バックアップや変更履歴管理、ローカルファイルシステムと完全な透過性を備えた高機能なオンラインストレージサービスだ。

HDD以上に便利なオンラインストレージ“Dropbox” - @IT

ローカルファイルシステムとネットワーク上のストレージが、自動で同期するというのは、便利でしょうけど、危険でもありそうですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月 7日 (土)

モデルと現実と

「レジデント初期研修用資料: 現場の狂気と教科書の正気」 より。いつもお世話になっています。

正しい教科書は正しいやりかたを教えてくれない

医療ならどの分野でもそうだろうけれど、現場でやってることは、教科書にはほとんど書いていない。

日経コンピュータだったか、オブジェクト指向ソフトウエア開発が「先進的事例」として紹介されていた記事で、以下のような発言がありました。

「(オブジェクト指向の)理論どおりなのにうまくいかなかった」

リモート・オブジェクトを使用した開発で、それが、EJBだったかCORBAだったかRMIだったかは忘れてしまいましたけど。なんでも、「ひとつの項目をひとつのオブジェクトとする」のが「理論どおり」だとかいう記事でしたね。

まあ、「すべてをオブジェクト」にするのは、オブジェクト指向のひとつの考え方としてあるわけですが、「すべてをリモート・オブジェクト」にするのは、問題ありすぎるのは、少なくとも今では常識でしょう。その記事が掲載された当時でも、現場感覚からすると、ありえない感じではありましたけど。

Session Facadeパターンは、EJBコンポーネントの利用に際して、最も広く定着しているベストプラクティスの1つである。実のところ、このパターンは、 CORBAやEJB、DCOMなどのあらゆる分散テクノロジー分野で用いられている普遍的なルールを表したものだ。つまり、アプリケーションにおける「ネットワークの横断」をなるべく減らすという原則である。これにより、細かなデータがネットワーク上を何度も行き交うことによるオーバーヘッドの発生を防止できる。

@IT:J2EEのベストプラクティス・トップ10(後編)

もうひとつ。ソフトウエア開発プロセスに関するウォーターフォール・モデル。これは、現場の開発者には評判の悪いモデルです。

一般に理解されるウォーターフォール・モデルは手戻りを許さない逐次開発型であるため、工程間のフィードバックが必然的に発生する実際のソフトウェア開発という作業の実情にそぐわないとの批判も多い。また、ウォーターフォールはプロジェクト管理に膨大な手間がかかること、システム開発の短納期化へのニーズが強いことなどから、反復型開発手法などと折衷したモデルなども提唱されている。

ウォーターフォール・モデル - @IT情報マネジメント用語事典

私個人としては、ウォーターフォール・モデルは、ソフトウエア開発プロセスの「静的な構造」を明確にしたと言う点で、高く評価しています。ひとつのモデルとして。

現実を無理矢理にこのモデルに合わせようとする人達が出てきてしまったのが、このモデルの評判を落としてしまいましたね。それだけこのモデルが、(素人にも)わかりやすいものであったわけで、現実をうまく抽象化したという点で、モデルの評価を高めるものだとは思います。

理論と現実というのは異なるもので、現実は理論どおりではないというのは、当たり前のことだとは思います。技術者は、理論と現実のギャップを埋めるのが、その役割であると思うのですけどね。技術者が理論を言い訳にするのは、本末転倒のような気がします。

しかし、技術者にも説明責任が求められる昨今ですから、理論と現実のギャップをどう説明するのか、悩みどころです。現実を無理矢理にでも理論に合わせれば、説明が楽になるのは確かなのですけど。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年4月 4日 (水)

RAIDの基本(2)

前回、1988年RAID黎明の時のリサーチを取り上げました。基本的な特性は変わらないとは思いますが、なにしろ20年近く前の話ですので、比較的最近のものを探してみました。

日本HP HP ProLiant Benchmark 付録B: Exchange Server 2003テスト(2005年)

Hewlett-Packard社製品のベンチマーク結果です。

これは、Microsoft社のメールサーバ製品である、Exchange Serverをシミュレートした負荷テストの結果です。RAIDレベル0、1+0、5、6の4つのRAIDレベルをテストしています。この中から、RAID1+0とRAID5を比較してみたいと思います。

テストはいくつかの構成・パターンで行なわれていますが、ここでは、以下の構成・パターンで比較してみます。

  • 15krpm、36 GB、U320 SCSIドライブ10台を搭載したMSA30エンクロージャを、Smartアレイ6402コントローラに接続
  • 14のJetstressスレッド

テスト結果は以下のとおりとなっています。

[RAID 1+0]
転送速度: 1409 Transfers/秒
読み取りレイテンシ: 0.015秒
書き込みレイテンシ: 0.0019秒

[RAID 5]
転送速度: 1127 Transfers/秒
読み取りレイテンシ: 0.01869秒
書き込みレイテンシ: 0.00373秒

RAID5の性能はRAID1+0の8割程度となっています。

IOについては、おおよそ、「65:35の読み取り/書き込み比率の作業負荷」となっているそうです。読み取りに関しては、両RAIDレベル間で、ほぼ差はないと考えると、RAID1+0からRAID5への、書き込み性能低下は4割程度あるかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月 3日 (火)

RAIDの基本

Wikipedia(en)より。

In computing, the acronym RAID (originally redundant array of inexpensive drives (or disks), also known as redundant array of independent drives (or disks)) refers to a data storage scheme using multiple hard drives to share or replicate data among the drives. Depending on the configuration of the RAID (typically referred to as the RAID level), the benefit of RAID is to increase data integrity, fault-tolerance, throughput and/or capacity, compared with single drives.

コンピュータ分野で、RAID-元はredundant array of inexpensive drives (or disks)の略であり、redundant array of independent drives (or disks)の略でもある-は、複数のハード・ディスク・ドライブを使用した、データ・ストレージの仕組みであり、複数ドライブで同一データを共有します。RAIDの構成方法-通常、RAIDレベルと呼ばれる-によりますが、単一のドライブに比し、信頼性、耐障害性、応答速度、収納効率で優れています。

RAID. (2007, April 1). In Wikipedia, The Free Encyclopedia. Retrieved 11:19, April 3, 2007

同記事で、RAIDという言葉を最初に使用したのは、"David A. Patterson, Garth A. Gibson and Randy Katz”であるとされています。

The term RAID was first defined by David A. Patterson, Garth A. Gibson and Randy Katz at the University of California, Berkeley in 1987. They studied the possibility of using two or more drives to appear as a single device to the host system and published a paper: "A Case for Redundant Arrays of Inexpensive drives (RAID)" in June 1988 at the SIGMOD conference.

ここで紹介されている、"A Case for Redundant Arrays of Inexpensive drives (RAID)"という1988年の論文は、ネット上で入手できるようです。

"A Case for Redundant Arrays of Inexpensive drives (RAID)"(PDF)

RAID1~RAID5まで挙げられていますが、現在使用されているのは、RAID1(ミラーリング)と、RAID5(パリティ分散)だけですので、この2つについて、リサーチの内容を見てみたいと思います。

まずはRAID1の特性から。

MTTF: 4,500,000 hrs or >500 years
Total Number of Disks: 2D
Overhead Cost: 100%
Useable Storage Capacity: 50%

I/Os/Sec vs. Single Disk          Full RAID   Per Disk
 Large (or Grouped) Reads/sec     2D/S        1.00/S
 Large (or Grouped) Writes/sec    D/S          .50/S
 Large (or Grouped) R-M-W/sec     2D/3S        .33/S
 Small (or Individual) Reads/sec  2D          1.00
 Small (or Individual) Writes/sec D            .50
 Small (or Individual) R-M-W/sec  2D/3         .33
 
Characteristics of Level1 RAID, p.10

これは単純な二重化ですので、ディスクがシングルの倍必要になります。

読み取りはシングルの2倍早くなっているのは、二重化したディスクからパラレルに読み出すからだそうです。書き込みは、シングルと同じになっています。これは、ディスク1台に書き込んだら、制御を戻し、ミラーの完了は待たずに処理を完了させるからだそうです。

次はRAID5の特性。ディスク11台(データ10台、チェック1台)の場合です。

MTTF: 820,000 hrs or >90 years
Total Number of Disks: 1.10D
Overhead Cost: 10%
Useable Storage Capacity: 91%

I/Os/Sec vs. Single Disk          Full RAID   Per Disk
 Large (or Grouped) Reads/sec     D/S         .91/S
 Large (or Grouped) Writes/sec    D/S         .91/S
 Large (or Grouped) R-M-W/sec     D/2S        .45/S
 Small (or Individual) Reads/sec  (1+rC)D     1.00
 Small (or Individual) Writes/sec (1+rC)D/4   .25
 Small (or Individual) R-M-W/sec  (1+rC)D/4   .25

Characteristics of Level5 RAID, p.18

RAID5の場合、パリティを格納するため、常に1台余分のディスク容量が必要になります。データがディスク10台なら11台で、1.1倍ですね。

MTTFはRAID1の2割ぐらいに落ちています。RAID1は、最大半分のディスクが壊れても大丈夫ですが、RAID5は2台壊れたらそこまでですので、こんなものでしょうね。なお、ディスク26台(データ25台、チェック1台)の場合も載っていて、"MTTF 346,000 hrs or 40 years"となっています。ディスクを倍にすると、MTTFは半分という感じですね。

さらに、"Large (or Grouped) R-M-W/sec"(読み取り-変更-書き込み)が、シングルの約半分の速度、"Small (or Individual) Writes/sec"、"Small (or Individual) R-M-W/sec"が約四分の一の速度となっています。

サーバ機のストレージは、大抵RAIDを使用していると思います。このRAIDのレベルですが、サーバ機の初期設定ではRAID5となっていることが多いようです。ハードメーカーとしては、低コストで冗長化できることをアピールしたいのだろうと思います。

しかし、RAID5は、基本的には、「安かろう悪かろう」であることを忘れてはいけないと思います。特に少量の書き込みが大量に発生し、かつ高い信頼性が求められる、データベース・サーバには、全く向きませんね。

RAID5は、結構、適応が難しいのではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月 1日 (日)

首都圏医療崩壊ドミノ

「レジデント初期研修用資料」さん、「神奈川県の現状」 より。

  • 病院間のネットワークは、すでに十分に機能している。某大学にネットワークの本部があって、電話一本で救急対応可能な搬送先を紹介してくれる。ところが稼働している病院が減っているため、横浜から問い合わせて搬送先小田原とか、神奈川/東京全滅で、搬送先はヘリで千葉県とか、どんどん遠くなっている
  • 搬送中は医師が同乗する。どの施設も人数ギリギリなので、たとえば往復に3時間かかると、その間病棟をみる人が誰もいなくなったり、外来がストップしたりで病院の機能ががた落ちしてしまう
  • 千葉県の亀田総合は「最後の砦」の一つだが、現場が疲弊して、救急対応がいつまでできるか分からない

「元検弁護士のつぶやき」さん、「東金病院産婦人科、4月から休診」コメント欄より。

No.1 tomo さんのコメント | 2007年03月07日 20:58 
千葉県の外房エリアは、しばらく前から相当な医療過疎になってます。
公立長生病院もずいぶん前に分娩取扱をやめましたし、最近では銚子市立病院も分娩を取り扱わなくなったということです。国保成東病院で細々と分娩を扱っている以外は、旭中央病院と鴨川の亀田総合病院の間(九十九里浜の長さよりも、更に距離があります)に、分娩可能な『病院』がないのが現状です。
数少ない産科診療所は、どこも分娩予約であふれかえっています。いざというときの母胎搬送先は、どちらを向いても救急車で60~90分くらいかかり、県のドクターヘリ搬送も日没後は対応していません。
茂原市などでは、内科外科など一般の二次救急の夜間待機病院がない夜が月の半分程度あり、市外の病院にお願いしている状況のようです。
一応、首都圏であるはずの千葉県ですが、こんな感じです。

No.4 ひみつさんのコメント | 2007年03月08日 00:25
千葉県は外房だけではなく、銚子を基点に利根川沿いの北総地域の産科もきわどい状況になってきています。また、利根川沿いは茨城県に隣接している事もあり、科を問わず3次の病院が少ない茨城県南部からの搬送も受けている状況です。ドクターヘリも茨城県と協定を結んだため越境出動することもあります。

そのせいかどうか分かりませんが、昨年のドクターヘリの出動回数も全国一だったようで、1日平均2回以上飛んでいる数字だったように思います(データ元はイカロス出版のヘリコプター関係の雑誌)
事実、身内がドクターへリポートのある日本医科大学に入院した時、毎日ヘリは飛び立ち、1日3回飛び立つなんて日もありました。このように頻繁な出動を目の当たりにして、千葉県の医療機構の維持だけではなく、ドクターヘリの体制自体もいつまで持つか・・・と不安に思うところであります。

No.6 いなかの内科勤務医さんのコメント | 2007年03月08日 08:56
わたしは実は渦中にある外房の市中病院に勤めているのですが・・・。上記でいうところの「お願いされる市外の病院」です。
成東病院に続き長生病院も内科医辞職、県立循環器センターも内分泌代謝医がいなくなり、当院への患者紹介も増えています。
夜間など、20~30kmの遠路救急車に乗って患者がやってくることもあります。
それがまた単なる胃腸炎だったりして、「帰っていいですよ」と伝えると、「安心しました。ところでここはどこですか?随分田舎のようですけど・・・」と言われます。
茂原は十万人都市なのに、夜間救急が手薄で非常にまずいなあ・・・と思っていましたが、うちの病院も対岸の火事を傍観している立場から転落しそうです。研修医制度のあおりをうけ、春から内科医が4→3人に減り、診療縮小もやむなし、です。

一体どうなってしまうのか・・・。

亀田総合病院は、平成19年4月より小児科診療を縮小とのことだそうです。

2007.03.12 小児科外来を受診される患者さまへ

現在、小児科医の確保に全力で取り組んでおりますが、現状では亀田クリニックの小児科診療枠を減らさざるを得ません。

また、亀田総合病院の救急外来では原則として日曜・祝日の17時以降、および平日の20時以降は小児科医による初期対応が困難なため、小児科を経験した家庭医診療科・総合診療科・救命救急科の医師が担当いたします。

患者さまには待ち時間などでご迷惑をおかけいたしますが、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

「ssd's Diary」さんによると、10名中6名の小児科医師の方々が、3月末でお辞めになるそうです。

ssd's Diary: 国循ほどではないけれど 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »