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2007年4月26日 (木)

最大最難の「メディアリスク」

日経BP社ITProに掲載されている記事です。

最大最難の「メディアリスク」(1)74年前に指摘された「三原山型観念的社会記事問題」

最大最難の「メディアリスク」(2)システム障害を巡る記事の書き方、教えます

最大最難の「メディアリスク」(3)マスコミが金融庁に与えた「権力」

最大最難の「メディアリスク」(4)マスコミを徹底して嫌ったIBM会長

”最大最難の「メディアリスク」(1)”で、以下のように問題提起されています。

メディアリスクという言葉を聞いたのは、ある勉強会の席上であった。情報システムに関連するあるトラブルを起こした企業の幹部が、トラブルの経緯を振り返りつつ、冒頭のように仰った。その方によれば、「顧客、警察、監督官庁、社内外関係者、すべてに応対しなければならなかったが、一番厄介なのがメディアだった」という。

 厄介だという理由をこの幹部はこう説明された。「会見や個別取材で、どれだけ時間をかけて説明しても、まったくこちらの主張を分かってくれない。というより、そもそも理解しようという姿勢にない。記者のほうが結論を用意していて、それに合うコメントだけを取って帰ろうとする」。

マスメディアが、あらかじめ立てた「筋書き」にそって、取材をおこない記事にする、という話は昔から指摘されているところです。昔と異なるのは、その報道の影響の大きさでしょうか。

最近ですと、不二家を巡る一連の報道が「メディアリスク」現実化の一例かもしれませんね。

TBSの捏造報道として問題になっている「賞味期限切れのチョコレート再利用」の件だけでなく、他局の報道に出てきた以下の問題は事実無根である。

    * 3秒ルール
    * カビの生えたケーキや床に落ちたケーキを販売
    * 虫混入とか金属片混入とか

アンカテ(Uncategorizable Blog) - 不二家捏造報道問題: バッシングでつぶしてしまえばテレビ局の勝ち?

確かに不二家自身の最終報告書を読みますと、メディアの報道とは大分ニュアンスが異なるようです。

不二家からの大切なお知らせ:第2回「信頼回復対策会議最終報告」記者会見

まあ、こうして当事者のコメントを直接知ることができるのも、昔とは異なるところではありますね。

昔なら、マスコミにコメントを求められるというのは恐怖感を覚えるほど覚悟のいることだった。何を書かれるかわかったもんじゃないという不信感がある。だが、今はまあどうでもいい。日記に本意を書いておけばいいのだから。

高木浩光@自宅の日記 - 新聞の意味不明な識者コメントはデスクの解釈で捏造される

”最大最難の「メディアリスク」(2)”は、メディアの仕事のパターンをマニュアル風に書いたもので、なかなか皮肉が利いています。

本来は、システム障害の原因をきちんと取材すべきだが、それについては深追いする必要はない。障害直後は原因を特定できていないことが多く、きちんとした説明がされない(できない)からである。そもそも記者の多くは情報システムの仕組みを理解していないので、説明があったとしてもよく分からない。

 むしろ、当事者ではなく、システムに詳しい識者に電話し、「今回のシステム障害をどう思われますか」と聞く方が効率的である。コメントを集め、「『内部管理の抜本見直しは避けられない』との声も上がっている」「基本的な手順をおろそかにしていたと批判されても仕方ない」と書く。記者の主張ではなく、「識者がそう言っている」と取られるように書くことが大切である。

 いきなり電話を受けた識者の中には、「原因が特定できない以上、今は論評できない」「大騒ぎをすればするほど、システム開発を担当する技術者たちが萎縮してしまい、かえって危険」といった、“使えない”コメントをする人がいる。こうした人は、識者リストから外しておく。

”最大最難の「メディアリスク」(3)”は、かの有名な某銀行システム障害のときの話。ITサービス業の人間であれば、このときの記事を読んだ人は多いと思います。

1985年にバンク・オブ・ニューヨークが情報システム障害で倒産寸前に追い込まれたとき、議会で証言したニューヨーク連銀のジェラルド・コリガン総裁は、「関係職員の疲労」に言及したという。

 今回のトラブルについては、議会証言もあった。テレビや新聞において、猫も杓子も発言した。だが、コリガン総裁のように、現場の担当者の疲労について言及した人はどれだけいたのであろうか。

この一件に限らず、現場で不眠不休で必死に働いた方々への配慮というのは、あまり見受けられないように思いますね。

柳澤伯夫金融担当相(筆者注、当時の肩書である)は4月24日、「某銀行から(情報システム統合の進捗について)虚偽の報告を受けた」とまで発言した。ほとんど犯罪者扱いである。

(・・・)

メディアの「中の人」である方が、こうした問題意識をお持ちであるというのは、心強いことだと思います。

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