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2007年5月 5日 (土)

ブロートウエアと民主政治

”bewaad institute@kasumigaseki”さんの以下の記事。面白いと思いました。

議会政治をMS Wordに擬えてみる

まあ、MS-Wordが売れている理由は、いわゆる”ネットワーク効果”の故であって、MS-Wordの機能によるものではないとは思います。商用ワープロソフトの機能はどの製品も大同小異だと思いますし。

「ネットワーク効果」は顧客が多ければ多いほど、より多くの顧客を得ることができる、という状況のことだ。

ストラテジーレターⅠ: ベン&ジェリー 対 アマゾン - Joel on Software

ブロートウエアの生まれる理由を考えれば、共通点は出てくるかな、と思います。つまり、商用ソフトウエアの機能は、なぜ肥大化するのか、ですね。

正確にはブロートウェアとは何だろうか?The Jargon Fileは悪意に満ちた定義をそれに与えている。「小さな機能に対し割の合わないほど多くのディスクスペースとメモリを要求するソフトウェアのこと。とくにアプリケーションやOSのアップグレードに対して使われる。この言葉とその現象は、Windows/NTの世界で非常に一般的である」


多くのソフトウェア開発者は昔ながらの「80/20」ルールに魅了されている。80%の人々は20%の機能しか使わない、というのは大いに意味があるように見える。それであなたは20%の機能だけ実装すればよく、それでも80%は売れると思い込む。

残念ながら、それは決して同じ20%ではないのだ。みんな異なる機能セットを使っている。過去10年間、互いに学ばないと心に決めた何ダースもの会社が、20%の機能だけ実装した「ライト版」ワードプロセッサをリリースしようとしたのを聞いてきた。これはPCの歴史と同じくらい古い。…


あなたが「ライト版」の製品のマーケティングを始めて、「どうです、軽いでしょう。たった1MBだ」と人々に言い、彼らはとても喜んで、それが彼らにとって必須の機能を持っているか聞くが、それがないと分かると彼らは買わない。

ストラテジーレターIV: ブロートウェアと80/20の神話 - Joel on Software

ソフトウエアの機能を決める際、ユーザ、マーケティング、記者などの意見を聞くと、間違いなく、ソフトウエアはブロートウエアとなります。意見を聞く人が増えれば増えるほど、ソフトウエアの機能は肥大化して、「重く」なるでしょう。

私は50人くらいの関係者の意見をとりまとめて、ソフトウエアの機能リストを作り、開発したことがあります。機能リストは恐ろしい量で、なかには、互いに矛盾するようなものも含まれていました。もちろん、出来上がったのは、とんでもなくブロートなソフトウエアでした。

ブロートウェアを嫌悪する人達に言わせると、優れたソフトウエアをデザインする唯一の方法は、ひとり(または少数)の優れたプログラマが誰の意見も聞かず、彼の独断のみによって、デザインすることだそうです。UnixやC言語は、そのようにデザインされた、というのが引き合いに出されます。

独裁者が統治する場合、「無駄」はなくなるでしょう。彼の人が「無駄」と考えることは行なわれなくなりますから。それを多くの人に納得させることができるかどうかが、彼の人の優秀さの証でしょうね。うまく行く場合は、ユーザの熱狂的な支持を得ることが多いと思います。

民主的に統治を行なう場合、つまり、多くの人の意見を聴き、それを反映させるならば、肥大化は避けられず、多くの人が「無駄」と思うものが含まれるようになるでしょう。「軽くしてくれ」という意見だけは、決して実現されることはないでしょうね。

「無駄な政策」が多いのは、民主主義がある程度は機能しているという証なのかもしれませんね。

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