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2007年9月17日 (月)

「消費税目的税化は社会保障費抑制につながる」

中央公論10月号に掲載されている記事です。

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 しかしながら、一見したところ分かりやすい社会保障目的税化という仕組みは、国民の消費税率引き上げに対する抵抗感を和らげるためだけの表面的な理屈に過ぎず、実質的にはまったく何の意味もないという可能性が高い。
 さらに、制度設計の仕方によっては、社会保障費を財政面から一方的に抑えつけることとなり、社会保障のあり方が根底から揺らいでくることにもなりかねない。

村上正泰, 「消費税目的税化は社会保障費抑制につながる」, 中央公論10月号, 中央公論社, 2007, p.61

 社会保障目的税という名目で増税したとしても、もちろん増税分を社会保障のために使ったと見なすことはできるが、その一方で、それまで社会保障費に充てていた消費税以外の財源を社会保障以外の目的のために使うことも可能となり、実質的には増税が社会保障以外の目的に振り向けられたとさえみなし得ることになるのである。

同, p.61

消費税増税は、国の一般会計の歳入を増やすわけですから、「まったく何の意味もない」とまではいえないとは思います。一般会計から支出されている社会保障関係費にも、いくらかは影響を与えるのではないでしょうかね。

”社会保障目的税”が単なる看板にすぎないのは、そのとおりなのでしょう。社会保障費を増やすとは、政府はひとことも述べていないでしょうし。おそらく、消費税増税は、国の財政健全化が主たる目的なのでしょうが。

それでは、仮に社会保障費を、一般会計と別立てにして、消費税収をその財源としたとするとどうなるか、ですが。

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このように、とりわけ医療や介護を中心として社会保障費を経済成長に合わせてコントロールすることは物理的に不可能であるが、もし消費税をその財源として目的税化してしまうと、社会保障費は消費税収の伸びに左右されることになる。
 しかしながら、消費税収の伸びは、税率を一定とすれば、おおむね経済成長に左右されると仮定することができよう。そうすると、結局、消費税の社会保障目的税化とは、不可能を可能にしなければならない無理な仕組みということになる。

同, p.63

社会保障費と景気動向が密にリンクするようになるのでしょう。どんな税であれ、「おおむね経済成長に左右される」のであろうとは思いますけど、消費税というのは、景気動向に、よりセンシティブに左右されるように思います。

このため、政府がより社会保障費を抑制する方向へと動く、というのは、ありそうです。

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