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2007年9月14日 (金)

社会保険料はなぜ累進料率にならないのか

昨日の記事の続きです。

イギリスのように税金を財源とすれば、国民全員から累進的に徴収できるが、社会保険方式では所得のレベルとは無関係に同じ割合で保険料が徴収され、所得が一定レベル以上になれば定額となる。

池上 直己, J.C.キャンベル 著,  「日本の医療」, 中公新書, 1996, p.91

なぜ、社会保険方式では、累進的に徴収できないのでしょうか?

かつて、政府の人間はこう言っていた。「あなたの払った保険料は、ほかの人に使われるのではありません。あなたに戻ってくるのです。だから保険なのです」。

「年収150万円と3000万円で“税率”が同じ国」, 構造改革をどう生きるか(第58回)[森永 卓郎氏]/SAFETY JAPAN [コラム]/日経BP社

保険ってそういうものじゃないように思うのですが...”掛け捨て”と呼ばれるように、普通は戻ってこないのが保険じゃないですかね? 払った保険料が必ず戻ってくるというのは保険じゃあないでしょう。

”掛け捨て”という言葉がいみじくも表しているとおり、かって、日本では保険というものに対する人々の理解が乏しく、その結果、預金に近い性格を持つ保険商品が主流となった、という話を聞いたことがあります。社会保険の黎明期に、保険というものの理解に乏しい国民に保険料を納めてもらうため、上のような言い方をしたのですかねえ。

しかし...

”国保”でネットを検索すると、年収300万で50万円の保険料だの、30万円の保険料だの、悲鳴が上がってますね(市町村によって2倍程度の格差があるとか)。上のコラムでも、租税に社会保険料を足すと、年収150万円と3000万円で“税率”が同じになる、と指摘されています。

社会保険料も累進料率にすべきじゃないでしょうか。引き上げ余地はあるはずなのに、低所得者層が定額・定率の負担をしているがために、引き上げられなくなっているように思うのですが。

むろん、税方式にするという案もあるでしょうが、財政的には社会保険方式の方が安定するでしょう。税方式の場合は、政治の動き次第でどうなるかわかりませんし、今の情勢では歳出削減の圧力はかかり続けるでしょうから。

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