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2007年10月18日 (木)

格差の大きい国ほど成長率も高い?

格差をなくすとみんな平等に貧乏になる

こういう話って、私にとっても完全にgiven(大前提)の話で、あえて説明するまでもなく、その大前提の上でどう制度を作っていくかという話だと思うのですが、世の中にはこれが大前提ではない人も多いように思えます

栗原潔のテクノロジー時評Ver2 [ITmedia オルタナティブ・ブログ]

各国別にみると、日本は格差もフランスに次いで小さいが、成長率もブラジルに次いで低い。全体として、格差の大きい国ほど成長率も高い。ありもしない「格差社会」を嘆くより、主要先進国で最低に転落した成長率を上げることが日本の最優先の課題である。

池田信夫 blog ITとグローバル化は格差も所得も拡大する 

所得格差が経済成長をもたらすという仮説は、まったく初耳です。

経済成長は所得格差を縮小する方向に作用する、というのが、日本の高度成長期や、アメリカの”黄金の60年代”における経験則であったと思いますが。であればこそ、バブル崩壊後、深刻な不況に陥った日本はともかく、アメリカの80年代以降の好況が、”雇用なき回復”などと呼ばれ、特異なこととして、所得格差の拡大が話題として取り上げられたのではないか、と思いますけども。

それはともかく。

池田信夫氏のブログで取り上げられているIMFのレポートですけど、概要と結論だけの流し読みではありますが、その内容はというと。

1) 技術の進歩は、貿易よりも不平等を拡大させる要因である。

2) 貿易のグローバル化は、不平等を減少させている。金融のグローバル化 - 特に外国直接投資 - は不平等を増加させている。

3) 教育・金融への人々のアクセス改善は、グローバル化の恩恵をより平等に配分するのに資する。

途上国向けの提言(エクスキューズ?)のように思えますね。

このIMFのレポートに対し、Richard Posner 氏 - ”Senior Lecturer in Law”とのことで、法律がご専門の方のようです - が、以下のように”疑問に思う”と述べているようですが。。。

I want to question three assumptions of the IMF report. The first is that increased income inequality is a bad thing, the second is that an increase in world average incomes is a good thing, and the third is that greater investments in education are bound to reduce inequality.

The Becker-Posner Blog: Globalization and Inequality--Posner's Comment

ニュアンスが随分と違いやしませんかね?

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コメント

誰も「格差が大きければ大きいほど成長率が高い」などとは主張していないはずですよ。

「日本は世界で最も成功した社会主義国家だ」。
『格差のない』社会主義国家がどうなったかを見れば答は明らかかと。

投稿: | 2007年10月18日 (木) 10時10分

コメントありがとうございます。

>『格差のない』社会主義国家がどうなったかを見れば答は明らかかと。

うーん、よくわかりません。

カッコつきの『格差』、つまり格差など存在しないといっているのか、それとも、『格差をなくすなど無理』ということなのですかねえ。

旧共産圏は、タテマエ上は、格差はないといいつつ、実際には資本主義国家より物凄い格差が存在した、ということですよね。

でも、共産主義 vs 資本主義という話でもないですよね。

所得格差の問題は、ある・なしの2分法ではなく、程度の問題だと思いますけど。

いずれにせよ、IMFのレポートの内容からは、ずいぶんと、かけ離れていると思います。

投稿: ron | 2007年10月18日 (木) 23時33分

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