”初音ミク”にみる技術の売り方
なんてことは、とっくに、どなたかが書いていらっしゃるのでしょうけど。
バーチャル・シンガー『初音ミク』は、声優「藤田 咲」さんが演じるポップでキュートなキャラクター・ボイスを元に作り上げられた、ボーカル・アンドロイド=VOCALOID(ボーカロイド)です。
『初音ミク』の歌声は、80年代から最新まで多彩なアイドル・ポップスを中心に、さまざまなポップ・ソング~バラード・ソングを歌い上げ、またキュートな声によるアニメソングなども得意としています。彼女の声質はとてもチャーミングで、伸びやかに天まで昇るような高音域、清楚で可憐な中高音域がとても魅力的。まるで可愛らしいアイドル歌手を、自宅スタジオでプロデュースしているかのような感覚を味わえるでしょう。
現代的な技術の売り方だなあ、と思いまして。このソフト、”音声合成ソフトウエア”だとか、あるいは、”ボーカル・シンセサイザー”だとか、呼ぶものだと思うのですが。
VOCALOIDというのは、この技術をもつ、YAMAHAの製品名のようですけど、その説明は以下のような感じです。
VOCALOIDは、コンピュータ上で歌声のパートの旋律と歌詞を入力すれば、そのまま楽曲のヴォーカルパートを制作することができる歌声合成ソフトウェアです。実際の人の歌声から収録したデータベースである「歌声ライブラリ」を用いて合成を行うため、元の歌声の性質が残り、リアルな歌声の合成音を得ることができます。また、簡単な操作で歌声に必要な表情付け(ビブラート、ピッチベンド)を行うことも可能です。このためVOCALOID では、この歌声ライブラリを充実させることによりさまざまな声質を使った楽曲の制作が可能になります。対応言語は日本語と英語です。対応 OS は、Windows2000/XP です。
まあ、よくある”機能の説明”ですよね。これだけですと、具体的にこの技術で何ができる、というイメージが沸きにくいのではないかと思います。そこで、キャラクター設定を行なうことで、ユーザに使い方を具体的にイメージさせるあたりが、この製品の”おもてなし”(user experience)なのかなあ、と思いました。
また、今回はきちんとキャラクター設定を行いました。なぜかというと、自由は不自由だと考えているからです。
人間というのはある程度の制限を設けてあげないと、そこで何をしたらいいのか分からないと思うんです。例えば、砂漠に置き去りにされて「好きなところに行っていいよ」と言われるようなイメージです。目印がなければ、どこに行ったらいいか分からないですよね。
AppleのiPod・iPhone、任天堂のWii、あるいはGoogleなどに通じるものがある感じがします。単機能にフォーカスするところ、具体的な使い方をイメージさせる売り方、といったあたり。これからは、技術の売り方というのは、こういう方向なのかなあ、などと色々考えてしまいました。
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