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2008年5月10日 (土)

ソフトウエア工学は工学的になれるか

”ベンチマーク”という言葉につい反応してしまったのは、丁度これについて考えていたからなのですが。タイミングが良すぎるといいますか。

いや、別に「Rubyが遅い(特に1.8が遅い)」って言われても、「はぁ、そうですか」としか思わないんだけど(性能を目指して実装してないし)、パフォーマンスと言うのは非常にFUDに満ちあふれた分野であるので、誰かが「遅い」とか「遅くて使えない」と言った場合には、その真意を見極める必要がある。

Matzにっき(2007-07-07)

ベンチマーク・テストの内容が問題というのは、結局、特定のテストだけでは、ソフトウエアの”一般的な”性能を判断できない、ということなわけですが。仮にソフトウエアの一般的性能を判断することのできるテストがあったとしても、まだその先があるのですよね。

テストでAとBを比較して、Aの方が早い、という結果になったとします。それで、私達の利用目的では、Bは使えないのか、といいますと、必ずしもそんなことはなかったりするわけでして。基本的に、絶対に無理、とはいえないことが多いと思うのですよね。もちろん、極端なケースでは無理というのはわかるでしょうけど。

例えば、建築部材で、木材と鉄筋コンクリートとの性能(強度)を比較して、鉄筋コンクリートの方が優れている、といったからといって、木材は建築部材としては使えない、ということにはならないわけでして。一方で、高層建築を木材だけで建設しようとするのは、無謀ということはわかるわけです。これは、材料の強度というのが一般的な数字で表されていて、構造物の応力を計算すれば、部材が耐えられるかどうかを数字で明確に示すことができるからですよね。

工学的というのは、そういうことだと思うわけですけど。

ソフトウエアに関しては、どう考えても、そのようにはなっていないですし、当分なる見込みもなさそうです。ベンチマーク・テストというのは、そもそもそのような目的で行なわれてはいないのでしょうけど。あるソフトウエアの性能が、利用目的を満たすのか否か、というのを明確にするのが、”使える数字”ですよね。その点からしますと、現場で欲しいのは、最高性能ではなく、むしろ最低性能とか、平均性能の類ですよね。このくらいの性能は見込んでも大丈夫ですよ、という数字かと。どうやって計るのか想像がつきませんが。

現在、ソフトウエアの性能について語ると、大抵不毛な話にしかならないのは、客観的に使える数字が存在せずに、主観的にしか話せないからでしょうね。ある利用目的について、どれだけの性能があれば”十分”なのか、エンジニアの感覚しかない状態でしょう。

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