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2008年8月 1日 (金)

工学部の先生による教育問題の見方

学力低下は錯覚である Book 学力低下は錯覚である

著者:神永 正博
販売元:森北出版
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工学部の先生が、ゆとり教育、学力低下、理工系離れ、文系理系の待遇差について論じた本。出版元が森北出版なのも異色な感じですね。

この先生のお考えが、私が漠然と考えていたことと、ほぼ一致しているのが驚きでした。統計データを引きつつ、以下のような見解を示されています。

  • いわゆる「ゆとり教育の弊害」は、それを裏付ける証拠がない。
  • 「分数のできない大学生」など、大学生の学力が低下しているのは事実。しかし、少子化の進行にともない、18歳人口が急速に減少するなかで、大学の定員はむしろ増加しており、以前なら大学に入学できなかった層が入学していることで説明できる。
  • 「理工系」離れが言われているが、現実に起きているのは、「工学部離れ」であり、理系志望の人間自体は増えてもいないが、減ってもいない。理、医薬歯系へとシフトしている。

といったあたりは、文部科学省の統計データを眺めたりして、そういった傾向が見えないか、などと私も考えていました。

一方、

  • 文系の方が理工系より優遇されている、というが、データからみて、そのようなことはない。

というのは、少々意外な話でしたね。世間に流布する俗説というのはあてにならないものです。

この本の一番最後に、義務教育課程に対する提言がなされているのですが、この点に関しても全く同感です。国語・英語・数学の教科を徹底的にやるべき、とのご意見です。

筆者は、義務教育段階では、基礎教科を、時間をかけて徹底的に学ばせるべきだと思っている。学習には個人差があるので、なかなかわからない子もいるだろう。しかし、わからないからといってここで学び損ねると、後で取り返すのに大変な苦労をしなくてはならない。

【略】

なにがなんでも身につけてもらわなければならないからこそ義務教育なのである。

「詰込み教育」のアンチテーゼとしての「ゆとり教育」であれば、あれもこれもと広く浅くやるのではなく、基礎を徹底してやるのが本来の姿ではないか、と思うのですけどね。

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