ゆとり世代というより少子化世代
大学入学者の学力が低下している、という話について。
中央教育審議会 初等中等教育分科会(第59回)議事録・配付資料 [資料2-1] (文部科学省) のページに、「18歳人口及び高等教育機関への入学者数・進学率等の推移」という資料があります。それによりますと、平成19年度の収容力(当該年度の大学・短大入学者数 ÷ 当該年度の大学・短大志願者数)は、 90.5 % となっています。
グラフを見れば一目瞭然なのですが、第二次ベビーブーマー世代に当たると思われる、直近の18歳人口のピークを過ぎたあたりから、収容力がうなぎのぼりに上昇していますね。
18歳人口と大学入学者数を、直近のピークである、平成4年度から抜き出しますと、以下のとおりです。
| 年度 | (1)18歳人口 万人 | (2)大学入学者数 万人 | (2) ÷ (1) |
|---|---|---|---|
| 平成 4 | 205 | 54 | 26.3% |
| 平成 5 | 198 | 55 | 27.8% |
| 平成 6 | 186 | 56 | 30.1% |
| 平成 7 | 177 | 57 | 32.2% |
| 平成 8 | 173 | 58 | 33.5% |
| 平成 9 | 168 | 59 | 35.1% |
| 平成10 | 162 | 59 | 36.4% |
| 平成11 | 155 | 59 | 38.1% |
| 平成12 | 151 | 60 | 39.7% |
| 平成13 | 151 | 60 | 39.7% |
| 平成14 | 150 | 61 | 40.7% |
| 平成15 | 146 | 60 | 41.1% |
| 平成16 | 141 | 60 | 42.6% |
| 平成17 | 137 | 60 | 43.8% |
| 平成18 | 133 | 60 | 45.1% |
| 平成19 | 130 | 61 | 46.9% |
平成4年度の18歳人口から、平成19年度のそれをみますと、 63.4% まで減少しています。対して、大学入学者数は、むしろ若干増えていますね。この間に大学の定員が削減されたという事実はないかと思います。
さて、考察を簡単にするため、単純化して以下の仮定をおきます。
- 上記の間、大学入学者集団の学力に変化はなかった
- 上記の間、18歳人口は 6割に減った
- 上記の間、大学の定員数に変化はなかった
そうしますと、まず1番手の大学については、上位 6割の層が、かっての大学入学者と同レベルの学力を有しており、下位 4割の層は、以前であれば、2番手の大学の上位 4割を占めていた層であると考えられます。
2番手の大学については、以前の 上位 4割の層は、ワンランク上の、1番手の大学へといき、以前の下位 6割の層が繰り上がって、上位 6割を占めます。下位 4割は、以前であれば、3番手の大学の上位 4割を占めていた層であると考えられます。
同様に、3番手、4番手 ... と続きます。
つまるところ、大学入学者全体の学力レベルは以前と同じであっても、個々の大学から見た場合には、明らかに入学者の学力レベルは低下しているというわけです。その原因はといえば、少子化の急速な進行にもかかわらず、大学の定員数を維持し続けたことでしょう。
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コメント
文科省の方でもこの問題は正確に把握しているようですね(把握していないと困るのですが)
ほぼ同様の事を、ネットで述べている記事がありました。
http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,430,81,html
投稿: しま | 2008年8月30日 (土) 12時39分
しま さん、コメントありがとうございます。
>文科省の方でもこの問題は正確に把握しているようですね
そうでしょうね。中教審でも、毎年この資料を提出するのが、恒例であるようです。おそらく、専門家の間では常識なのでしょう。人口動態というのは、かなり正確に予想が可能であるわけですから、この結論を導き出すのが困難ということはないでしょう。
投稿: ron | 2008年8月31日 (日) 01時44分