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2008年8月28日 (木)

ゆとり世代というより少子化世代

大学入学者の学力が低下している、という話について。

中央教育審議会 初等中等教育分科会(第59回)議事録・配付資料 [資料2-1] (文部科学省) のページに、「18歳人口及び高等教育機関への入学者数・進学率等の推移」という資料があります。それによりますと、平成19年度の収容力(当該年度の大学・短大入学者数 ÷ 当該年度の大学・短大志願者数)は、 90.5 % となっています。

グラフを見れば一目瞭然なのですが、第二次ベビーブーマー世代に当たると思われる、直近の18歳人口のピークを過ぎたあたりから、収容力がうなぎのぼりに上昇していますね。

Image1

18歳人口と大学入学者数を、直近のピークである、平成4年度から抜き出しますと、以下のとおりです。

年度 (1)18歳人口 万人 (2)大学入学者数 万人 (2) ÷ (1)
平成 4 205 54 26.3%
平成 5 198 55 27.8%
平成 6 186 56 30.1%
平成 7 177 57 32.2%
平成 8 173 58 33.5%
平成 9 168 59 35.1%
平成10 162 59 36.4%
平成11 155 59 38.1%
平成12 151 60 39.7%
平成13 151 60 39.7%
平成14 150 61 40.7%
平成15 146 60 41.1%
平成16 141 60 42.6%
平成17 137 60 43.8%
平成18 133 60 45.1%
平成19 130 61 46.9%

平成4年度の18歳人口から、平成19年度のそれをみますと、 63.4% まで減少しています。対して、大学入学者数は、むしろ若干増えていますね。この間に大学の定員が削減されたという事実はないかと思います。

さて、考察を簡単にするため、単純化して以下の仮定をおきます。

  • 上記の間、大学入学者集団の学力に変化はなかった
  • 上記の間、18歳人口は 6割に減った
  • 上記の間、大学の定員数に変化はなかった

そうしますと、まず1番手の大学については、上位 6割の層が、かっての大学入学者と同レベルの学力を有しており、下位 4割の層は、以前であれば、2番手の大学の上位 4割を占めていた層であると考えられます。

2番手の大学については、以前の 上位 4割の層は、ワンランク上の、1番手の大学へといき、以前の下位 6割の層が繰り上がって、上位 6割を占めます。下位 4割は、以前であれば、3番手の大学の上位 4割を占めていた層であると考えられます。

同様に、3番手、4番手 ... と続きます。

つまるところ、大学入学者全体の学力レベルは以前と同じであっても、個々の大学から見た場合には、明らかに入学者の学力レベルは低下しているというわけです。その原因はといえば、少子化の急速な進行にもかかわらず、大学の定員数を維持し続けたことでしょう。

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コメント

文科省の方でもこの問題は正確に把握しているようですね(把握していないと困るのですが)

ほぼ同様の事を、ネットで述べている記事がありました。
http://www.manabinoba.com/index.cfm/4,430,81,html

投稿: しま | 2008年8月30日 (土) 12時39分

しま さん、コメントありがとうございます。

>文科省の方でもこの問題は正確に把握しているようですね

そうでしょうね。中教審でも、毎年この資料を提出するのが、恒例であるようです。おそらく、専門家の間では常識なのでしょう。人口動態というのは、かなり正確に予想が可能であるわけですから、この結論を導き出すのが困難ということはないでしょう。

投稿: ron | 2008年8月31日 (日) 01時44分

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