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2008年9月26日 (金)

技術の問題ではない

ところが,待てども待てども検収結果が届かない。お客さんの立場もあることだし,「いつごろ終わりますか」なんて切り出せない。契約上のプロジェクトの完了は,ほぼ1年後の年度末になっている。長谷川さんは待つしかなかった。うわさでは一部の業務で,納めたシステムが利用され始めたと聞き,検収してOKが出たものだと思い込んでいた。

IT業界の弱者 非常識な「検収」で大赤字 (ITPro)

納期より早く納品物件が完成したからといって、発注主が早く検収作業を行なわなければならない、という法はないですし、もちろん、入金しなければならないということもないですよね。記事を読む限り、発注主は契約どおりに検収作業を実施したのでしょうから、「非常識」でも何でもないと思います。

この場合、「非常識」なのは、納期設定の方でしょう。工期が一年も余るというのは、異常です。

納期設定は早すぎても遅すぎても、ベンダが大きなリスクを負うことになります。早すぎる場合には、納期までに物件が完成しないというのがリスクとなります。遅すぎる場合には、物件を仕掛品としてベンダが抱え込むことがリスクになりますね。このケースは、まさに後者でしょう。入金も遅くなるわけですから、サブベンダに発注を行なえば、プロジェクトのキャッシュ・フローが悪化することになりますね。

適切な納期設定を怠ったがためにこうした事態を招いた、と私は読みましたが。物件の完成時期に対し、納期を適切に設定する、というのが正面からの答えでしょう。客側の予算執行上の都合で、納期がこのように設定され、動かせないのであれば、着手時期を遅らせる手もあります。特に、サブベンダへの発注時期については、慎重に考えるべきでしょう。

このプロジェクトの後,長谷川さんは考え方を変えた。営業活動の時間を減らし,最新の開発技術を必死に習得し始めた。「あのプロジェクトでは,自分のスキルの低さを他人のスキルでカバーしようとして失敗した。人に頼らなくても自分だけで問題を解決できるようになる必要がある」。今では技術に対する自信も深まった。

自社のリソースで賄える仕事だけを受注する、というのもひとつの方策ではあるでしょう。しかし、サブベンダのリソースを購う必要のある仕事は、やはり多いわけでして、サブベンダへ発注することのリスクから逃れることは難しいと思います。

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